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05/26/2005

大学は付属高校の生徒データを使えるか?

大阪学院大・南川諦弘教授から「個人情報保護法」について聴きました。いまや現代人にとっての必須知識ですね。

さて、理解度のチェックです。次の各項目は正しいでしょうか、間違っているでしょうか? 

1。死者の情報は保護の対象に含まれません。したがって「いじめにあって自殺した子供が画いた絵」は保護されません。
2。大阪学院大学付属高校の生徒は同大学にそのまま進学します。同じグループですから生徒のデータを大学の方で見たり、使っても差し支えありません。
3。1995年に制定されたEU指令により、個人情報保護法を制定しなければヨーロッパとの取引から締め出されることになります。
4。この法律は5000件以上(過去6ヶ月以内に1日でも)の個人情報を取り扱っている事業者が守らなければならない法律であり、それ以下の事業者は守らなくて良いと判断されます。
5。対象事業者は事業の内容・規模を問わず、また営利・非営利を問いません。
6。個人情報の取得、保有、提供、利用その他個人情報の取り扱いに関する一切の行為において、利用目的をできるだけ特定しなければなりません。ここで「できる限り」とは「可能な限り」という意味であって、利用目的を特定する義務を緩和する趣旨ではありません。
7。情報は原則として、本人から直接収集しなければなりません。
8。過去に収集したデータを年数が経過後に利用する場合、最新化の努力を行います。ただし利用目的の達成に必要な範囲内においておこなえばよいとされています。
9。従業者の違法行為に対して、使用者も責任を問われます。
10。自分の個人情報を訂正してもらうために開示要求するとき、なりすましを防ぐため、本人確認のため運転免許証等の提示を求められます。このとき窓口から「コピーをとらせてください」と言われても断ればよい。
11。報道・著述活動等に対しては適用除外されます。


きのう社内で話題になったのは、健康診断結果の取り扱い。個人情報保護法に従えば、健診結果報告書は個人に直接渡せばいいことになります。そのあたりのことを考慮したのでしょう。今年の報告書は個人宛に密封した書類で届きました。従来のように事業者が報告書の内容を見ることはできません。

ところが労働安全衛生法は、事業者の役割と責任を細かく規定しています。「労働者に健康診断を行わなければならない」「その結果を記録し保存しなければならない」「異常所見のある労働者の健康を保持するために、必要な措置について医師の意見を聴かなければならない」「必要なときは就業場所の変更、作業の転換、労働時間の短縮、深夜業の回数減少等の措置を講じなければならない」・・・

個人情報保護法と整合性が取れていないことは一目瞭然。ふつうは「従業員の了解を得て報告書を見せてもらい、安衛法対応を行う」となるのでしょうが、本人がもし「見せるのはいやだ」と拒否したら? 安衛法と個人情報保護法を両方守るのは難しくなります。

実務上、大いに問題の出てきそうな法律ですね。

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