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03/03/2006

安藤忠雄さんの叱咤激励

昨夜、建築家・安藤忠雄さんの講演を聴きました。座席が決まっていて、なんと一番前の中央。TVや新聞等ではおなじみですが、直接お目にかかったのは初めて。学校に行かず、独学で建築学を身につけ、いまや世界的な建築家になられただけあって、「自分自身で切り開いてきた人生」に強い自信をお持ちの発言が強烈でした。ユーモラスな表現ながら、内容はかなり辛らつです。

テーマは「木について考える」。木材工場団地主催の講演会でしたが、「木材業者は<いずれどうにかなる。いつかまた木が使われるようになる>と思って何も考えてこなかった。何もしなければどうにもならない。どう生きていくのかを考えよ。仕事は自分で探せ。自分で作って自分で使ってみる。頭の柔らかい若い人のアイディアを活かし、新しいことにどんどんチャレンジしなければだめ。時代が変わっているという認識がない」との発言が繰り返し繰返し、数十回もでてきました。

男性に対する叱咤激励も強烈。「女性が長生きするのは当たり前。男性は60歳の定年を迎えると、家で何もせず寝ているだけ。女性は40歳から映画・友達・趣味と好奇心を拡大するうえに、生活運動(食事の材料買出し、調理、洗濯、掃除…)をする。好奇心と体力が女性を長生きさせる」。

事務所にやってくる若い人にも絶望です。「一流大学の学生は勉強、勉強で育ってきたため、自然や命あるものに対する愛情がない。そんな人間に、生きた人間のための建築設計ができるはずもない。20年前なら、初日に往復ビンタをくらわせれば変えられたが、いまはそんなことをすると翌日から来なくなる。怒ったら終わり。理不尽なことで怒られるのが社会というもの。その中で自分を切り開いていかなければならない」。

自分で設計された建築物のコンセプトを美しい写真とともに紹介しながらの講演でした。「木の文化をいかに日本にしっかり根付かせていくか」「桜の都 大阪をつくろう」といった話のあと、最後に「自然や命あるもの」に対する「礼儀と愛情」の大切さを強調されました。

質疑応答で、「木のもつ温かさをもっと広めたい。学校等の建物にもっと木を使ってもらうにはどうすればいいでしょうか」と聞いた女性に対する安藤さんの回答です。「そんなことは自分で考えなさい。私が市長に働きかけても、当事者ではないから情熱が伝わらない。考えた人が自分で行動することです」。なるほど、行動の建築家・安藤さんらしい言葉でした。

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