« 究極の新規事業はこれだ! | Main | 家政婦は見られた! »

04/13/2007

寺島実郎氏の「世界潮流を予測する」

「知研フォーラム」最新号に寺島実郎さんの「2007年世界潮流を予測する~新しい世界秩序への英知」が掲載されています。

同氏は、日本経済の現況を「川上インフレ・川下デフレ」と表現しています。なるほど、素材が高騰し、最終製品の価格が落ち込んでいる現状をよく言い表しています。その人の立場により、景気に対する印象はまったく異なるわけです。

消費が振るわない理由は明々白々。勤労者の可処分所得が1997年をピークに11%も落ちています。1998年の労働分配率は70%でした。もうけの70%が従業員に分配されていたのです。ところが2006年には62%まで下がっています。悪くなったのは、この10年間に日本の産業におそろしいまでのできごと、グローバル化が進行したからです。企業利益の70%が海外でのもうけになり、物をつくって海外に売って稼ぐ貿易収支より、所得収支(マネーゲームや海外投資の配当、利息)の方が上回っています。

「年収200万円以下」が基準の数字のように言われているのは、生活保護世帯のマックス年収が200万円、失業保険のマックスが200万円だからです。200万円以下で働いている人は2174万人もいます。これに失業者と生活保護世帯を加えると、2574万人が200万円以下で生活しています。

にもかかわらず国民の間に怒りがこみ上げない理由は、「自分より低所得者層が急増している」、「資産の没落を多数見ている」の2つです。「おれはまだましだ」というわけ。これが格差問題の背景にあるロジックです。

労働組合の組織率は、いまや2割以下。しかも大企業や官庁勤めが大半ですから、平均年収700万円超。労働者の底辺のかさ上げより、既得権益を大事にする立場になっています。

といった興味深い話題が続々。今号は自分の書いた記事を掲載していただいたこともあり、いつもより熱心に読んでいます。ほかに、「中国ビジネスはここが違う」、「中国人とのつきあい方 ~その極意は金と主義」がおもしろい。女優の十勝花子さんが、あんなに中国通だったとは知りませんでした。

|

« 究極の新規事業はこれだ! | Main | 家政婦は見られた! »