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05/15/2007

発展段階説

経済学の試験を受ける人には必須の知識です。今朝のFSBi 2面に「<投資立国>変貌如実に/リスク恐れず海外へ積極姿勢」という記事が載っています。

財務省が14日に発表した2006年度の国際収支速報によれば、海外とのモノやサービス、配当などのやりとりを示す経常収支は前年度比11.1%増の21兆円の黒字となり、4年連続で過去最高を更新しました。

注目されるのは「日本企業や個人が投資した外国債や外国株式からの利子や配当などからの収益を示す所得黒字が14兆円となり、2年連続で貿易黒字の10兆円を上回り、全体の黒字拡大に貢献。貿易によるもうけを投資のリターンが上回る傾向が定着し始めた」こと。昨年、初めて所得収支が貿易収支を上回ったのですが、今年もその傾向は変りませんでした。

国内で作ったモノを世界中に売って稼いだ貿易黒字で発展を遂げた日本経済が、いまや海外投資関連の収入への依存を強めています。輸出産業によって国際競争力をつける「貿易立国」の段階から、成熟した「投資立国」へと変貌しつつある証です。

ここで重要キーワードをいくつか。

<発展段階説> 経済の発展段階に伴って、国際収支動向が変化するという説。クローサーの発展段階説では、一国の国際収支は、次のような段階を経て発展する。
1.未成熟の債務国:産業が未発達のため貿易収支は赤字、資本が不足するため海外資本を導入するので資本収支は流入超、投資収支は赤字
2.成熟した債務国:輸出産業が発達し、貿易収支が黒字化するが、過去の債務が残っているため所得収支が大幅赤字、結果的に経常収支は赤字。
3.債務返済国:貿易収支黒字が拡大し、経常収支が黒字に転換。対外債務を返済できるようになる。これにより資本収支が流出超となる。
4.未成熟な債権国:対外債務の返済が進み債権国となり、所得収支が黒字化。
5.成熟した債権国:貿易収支が赤字に転換するが、過去の対外債権からの収入があり、所得収支が黒字のため、経常収支は黒字。
6.債権取崩国:貿易収支の赤字が拡大し、経常収支が赤字に転落。対外債権が減少する。

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