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02/25/2008

日経新聞社説の「無知が生んだ情報操作」

日経新聞のトンデモナイ社説(1月21日付)が波紋を呼んでいます。統計データには、すべて前提があります。それを知らずに、勝手な解釈をした新聞記者が引き起こした不祥事です。

「かつて世界のトップだった日本鉄鋼業の省エネは、いまやヨーロッパに負けている」という社説、じつはこれがとんでもないガセネタでした。怒ったのは鉄鋼業界です。日経新聞に抗議の書状を突き付けました。「嘘の多い環境問題」とはいえ、オソマツ。

いきさつはこうです。日経社説は、「(日本は)生産量当りのエネルギー消費では、鉄鋼などでは英独仏にすでに抜かれ・・・」と書きました。鉄鋼連盟から出典を要求され、、「IEAエネルギー統計(2004)」と回答しています。

ところがこの統計は、鉄鋼生産の基本プロセスであるコークス製造や、付帯プロセスの発電部門のエネルギーを含んでいません。これらをいかに減らすかが、省エネのポイントなのに・・・。鉄鋼に関する知識が少しでもあれば、その重要性にすぐ気がつきます。こんな幼稚なミスを起こすことはありえません。

日本鉄鋼業の省エネレベルが世界最高水準であることは、世界の常識です。鉄鋼業のエネルギー原単位は、日本0.59t石油/t粗鋼、米0.74、英0.72、仏0.71、独0.69、中国0.76等と断然、日本がトップです。(RITE、2008.1)

世界に先駆けて膨大な設備投資・研究開発投資を行って、最高水準の省エネを達成しているがゆえに、京都議定書のように一律何%カットなどという基準をさらに付加されても実現が困難なのです。日経はこういう背景さえ知らずに、地球温暖化防止キャンペーンをしていることがばれてしまいました。日経新聞論説委員の認識がこの程度だったという事実には、あきれてしまいます。

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