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02/15/2008

バチスタ・チームの栄光

この映画を見て、バチスタ手術とは何かがよくわかりました。拡張型心筋症に対する手術術式のひとつ。肥大した心臓を一時的に止め(「一時的に死んでいる」ことになります。人工心臓が代わりをしていますが)、心臓の壁の一部を切除し縫い合わせて、容積を小さくした後再起動させ、心臓の収縮機能を回復させます。心臓手術の不可能なとき行われる手術で、難しいため成功率は6割、リスクの高い手法です。言ってみれば、皺を取るために皮膚の一部を切り取ってピンと張らせるようなものでしょうか・・・

映画の中にこの手術シーンが繰り返し、繰り返し出てきます。心臓を取り出し、メスで心臓の一部を切り取り、縫い合わせて再び起動するまで・・・。心臓の外側だけでなく、切り開いた部分から内側まで見えます。生々しい光景が、すべてそのまま大画面に描写されるなんて、見たことのない映像です。もっとも実物かどうか知りませんが。再起動しなければ、そのまま死につながるわけですから、まさに臨場感あふれるシーンです。緊迫した手術室の様子が見ている私たちに、ひしひしと伝わってきます。なかには、再起動せず、そのまま死を迎えるシーンも。

心臓ってこんな色をしているの? 心臓の壁ってこんなに厚いの? 心臓の一部をえぐりとって糸で縫い合わせる作業って原始的?・・・こんな光景を目の当たりにしたのは初めて。

「このミステリーがすごい!」第4回大賞受賞作品です。現役の医者でなければ書けないミステリーでしょう。連続して起こる術中死のなぞ。患者の愚痴聞き役(心療内科)の医者・竹内結子と厚生省のキレモノ役人・阿部寛が乗り出します。そこで明かされた意外な事実とは? あとは見てのお楽しみ(2月9日封切り)

なかなか面白いミステリー映画でした。

注)バチスタの学術的な正式名称は、「左心室縮小形成術」。 創始者であるR・バチスタ博士の名を取って、一般的には「バチスタ手術」とも呼ばれます。 拡張型心筋症に対する手術術式のひとつ。 肥大した心臓を切り取り小さく作し、心臓の収縮機能を回復させます。 心臓移植の代替手術ですが、状態が劇的に改善される例も多い。

手技は難しくリスクは高い。成功率平均六割。日本でこの手術を行う施設は少ないそうです。

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