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05/22/2008

田中美知太郎先生の「暗い預言者」

5月17日付産経新聞「昭和正論座」は、昭和48年7月4日掲載の正論です。京大名誉教授田中美知太郎先生の「また暗い預言者の時代」。先生はギリシャ哲学の権威。戦時中は、軍国主義やファシズムを批判し、戦後は進歩的文化人を批判しました。時流に媚びず、一貫して自由主義の立場から意見を述べた方です。

<未来学には「明るい未来学」と「暗い未来学」があるらしい>という文から始まる田中教授の文章は、オイルショックや四日市ぜんそくや水俣病などの公害でゆれていた時代に、嬉々として日本の未来を暗く語る戦後知識人の言動を厳しく戒めています。日本の過去をことさら暗く描くことに情熱を傾けている現代の歴史学者にも読ませたい文章です。

<現在(昭和48年)の暗い預言者たちは、環境汚染を本当に心配しているというよりは、日本の未来を暗く、暗く、描くことに、ひそかな願望を託しているのではないかと思われる節が少なくない>

<敗戦直後の混乱と窮乏は一つの革命的情勢をつくり出すかのように思われたけれども、そのごの経済の復興と高度成長は、そういう条件を消失させてしまい、暗い預言者たちは鳴りをひそめなければならなかった>

<しかし、大衆消費経済が生み出す環境破壊が明らかになってくるにしたがって、またもや暗い預言者の時代が到来した。かれらが嬉々として暗い未来を語るのは、そのためである。かれらにとっては、公害を非難したり、訴訟を起こすことがすべてであって、それが解決の方向をとることは、むしろ困ることなのである、いわゆるベトナム和平にいちばんがっかりしたのは、ベトナム反戦の人たちであったのと同じである。暗い預言者を落胆させる政治こそ求められなければならぬ>


さすが、鋭い・・・

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