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05/03/2008

進歩主義を保守派が支持したために

京大の佐伯啓思教授が正論大賞記念講演でお話になっている内容(産経新聞、4月17日付)です。

戦後、日本がアメリカから輸入した社会科学は、合理的で市場競争市場主義の進歩的な学問でした。1970年以降、日本の知識人の間に急速に広まりました。これは、日本社会は非合理的で遅れているという、日本人が占領時に植えつけられた発想にも良く合うものでした。

佐伯先生は、そういう考えになじめず、ヨーロッパに出かけます。そこで見たのは、ヨーロッパが合理主義をはじめとする近代化に対して非常に警戒心を持っていたこと。古来の自然を重視し、伝統に立脚した議論が行われていました。

日本ではバブル崩壊後、日本型システムを破壊することが構造改革だとの主張が出てきました。アメリカの新保守派の強い要請を背景にしたこの改革論は、徹底した進歩主義だったにもかかわらず、左翼でなく保守派が支持してしまいました。

ヨーロッパの保守は、革命的変革をせず、常に歴史を学びながら「何を残すか」を考えます。アメリカの保守は、進歩主義と一体ですから日本の保守は受け入れるべきでなかったと佐伯先生は述べます。

保守の基本は歴史を大切にし、価値観や文化を保持すること。価値観の再構築にむけて、国民運動を立ち上げるべきだと説いています。

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