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10/15/2008

神様の御宣託

FSBiに加来耕三さんの「承継の時/パナソニックの研究」が連載されています。10月1日は「幸之助、コンピューターからの撤退を決断」です。オーナー企業のオーナーがどんな采配を振るうかによって、企業のありようが大きな影響を受ける例です。

昭和39年、松下はそれまで研究開発を進めてきた、事業用大型コンピューター事業からの撤退宣言をおこないました。幸之助はコンピューターを「その日のうちに報告するためのもん」と考えていました。売り上げや利益の計算なら、自らの勘でもできる・・・。

「経営の神様」の御宣託だったため、松下社内では以後、コンピューターは禁句となり、コンピューター産業への取り組みの遅れは決定的となりました。

来るべきコンピューターを中心とする高度情報化社会――この社会の質的変化を幸之助は、家電事業という量的変化の中で捉えてしまったのです。コンピューター・テクノロジーの未来を、読み切れませんでした。

昭和47年、松下は富士通との合弁会社「パナファコム」を設立。数字を出すことを求められる事業部制の中で、採算ベースに乗っていなかったミニコン部門は単なる金くい虫との理由でパナファコムへ。

大型コンピューター撤退以降、トラの子ともいうべき30人足らずの技術者までいなくなり、松下はコンピューターのことごとくを失います。

一方、富士通は、本格的な情報処理企業への転換を図り、労せず松下のミニコン部門を入手、松下で使われる大型コンピューターの売り込みチャンスをも得たのでした。

オーナー経営者の判断は、影響力が決定的に大きいだけに非常に難しいですね。

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