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11/03/2008

iPS細胞を育んだもの

今年の秋の褒章受賞者の中に、京大教授山中伸弥さんの名前がありました。46歳の現役教授が選ばれるとは極めてめずらしいことです。同氏は世界の注目を浴びている「iPS細胞」の研究者。

ところで山中先生は京大の先生ですが、経歴を見ると神戸大学医学部の卒業。その後、大阪市立大学大学院で学位を取り、スポーツ医学を志しますが断念、次に取り組んだ基礎医学でも研究費不足に悩みます。

そんな折、たまたま科学雑誌で奈良先端科学技術大学院大学の求人広告を見て応募、1999年に採用され初めて自分の研究室を持ち、iPS細胞の研究をスタートさせました。スタッフにも恵まれ研究に打ち込む日々。2004年、京大に移ってその成果を開花させることになるわけです。昨年11月、ヒトのiPS細胞の作製成功を発表し、世界的な反響を得ました。

偶然見た雑誌の求人広告が、先生を奈良先端科学技術大学院大学という恵まれた研究環境に導いたという話がおもしろいですね。

私は昨年まで、国立大学(いまは独立行政法人)の中に、奈良先端科学技術大学院大学という大学があることさえ余り認識していませんでした。今年に入って偶然その存在を知ってから、新聞紙面にしょっちゅう名前が出てくることに気づきました。

今年の全国学力試験中学国語の問題に、同大学が幻の「花を咲かせるホルモン」を発見した話が出題されましたし、その後も再生医療やがん転移の解明が期待される脊椎動物の血管がつくられる仕組みを世界で最初に解明したとか、教授が文化功労賞を受賞され、さらにその方が来年から学長になられるという記事など。日本にも小粒でユニークな大学があるんですね。

(山中先生の経歴については、11月2日付産経新聞記事等から)

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