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04/23/2011

民間防衛

今朝の朝日新聞1面に「民間防衛」という懐かしい本の広告が載っていました。この本は、日本で大災害やテロ事件が起きたとき、いつも復刻され、売れているようです。原書房刊。私の本棚には昭和55年の第5刷がいまでも目立つ位置に置いてあります。

日本語訳の初版は昭和45年発行ですから40年以上前になります。平和ボケしていた当時の日本人に大きな衝撃を与え、マスコミでしばしば取り上げられました。とういうのも、戦後の日本人にとってスイスのイメージは、美しいアルプスを見上げる牧場やアルプスの少女ハイジの国でした。永世中立国として平和と安全を享受してきた憧れの国でした。

日本人の多くは、スイスが国民皆兵の国であることも、国を守るために国民一人一人が大変な負担とそれに耐え抜く気迫をもって取り組んできたことも知らなかったのです。中立国になりさえすれば、戦争のない平和な国になれると思っていたのです。

この本はスイス政府が全家庭に1冊ずつ配ったものです。内容を見ると愕然とします。日本ではとうてい考えられない記述のオンパレード・・・。

・この本はどこから来るものであろうとも、あらゆる侵略の試みに対して有効な抵抗を準備するのに役立つ。
・自由と独立を守るため、われわれはすべての民間の力と軍事力をひとつにあわせねばならない。
・われわれは脅威に、いま直面しているわけではない。しかし国民に対して、責任を持つ政府当局の義務は、最悪の事態を予測し、準備をすることだ。軍は、背後の国民の士気がぐらついていては頑張ることができない。

といった文章がつづきます。

具体的には、核兵器や生物兵器、戦争、火災、放射能、テロ、心理戦争等、自然災害や戦争を含むあらゆる危険から身を守る知恵が網羅されています。

歴史の試練を受けたスイスならではの安全マニュアルといえるでしょう。

昔読んだときは、なんと空想じみた内容だろうと思ったものですが、この40年間の歴史を振り返ると、ちっとも絵空事ではなかったことがわかります。あらためて日本の安全に対する甘さが痛感されます。

以前、スイスを訪れたとき、徴兵制で訓練を受けた人の話を聞いたり、市街地で女性兵士を含む軍隊が戦車や大砲を運んでいる様子を見て、「民間防衛」に書いてあることは現実なんだと実感したことを思い出します。(N)

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