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06/23/2012

竜馬50年(9) 司馬さんの経済観

大竹文雄教授の講演から。

司馬さんが比較文明的視点から小説やエッセーを書くようになったきっかけは「竜馬がゆく」が売れ、収入の80%を税金に取られるようになったから。当時の累進課税は今のように最大50%と違ってすさまじかった。「馬鹿馬鹿しい。いやでも市民意識が芽生える」と語っている。

ヨーロッパと日本ではパブリックの概念が違う。イギリスで私立大をパブリックスクールというのは、もともと貴族が自分の家で子弟を教育してきたのを何軒か集まって教育する場を作るようになったから。自分たちが作ったコミュニティの経費は自分たちが出す。これがパブリックの精神。日本ではパブリックを国家権力と思っている。日本人はよく勘違いするが、Public company は国営企業でなく、上場企業。公に開かれている企業のこと。欧米では「みんなで作った国の経費をみんなが出す」のは当たり前。日本国憲法は納税の義務を明文化しているが、米独仏は義務でなく、「国家は課税の権利を持つ」と書いている。微妙に違う。

競争社会や合理主義の中で、勤勉に働く日本人の資本主義観を司馬さんは高く評価している。
バブル経済を通じて不動産価格が高騰し、土地長者が生まれた。現在では、勤勉よりも運やコネが大切と考える日本人が4割以上にのぼる実情を、司馬さんが存命なら憂えたはず。

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