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11/22/2012

養老孟司先生の講演 その3

(「戦争時代の新聞は戦争のことしか書いてない」、「健康がコントロールできるという常識はヘンだ」、「戦後は世のため、人のためという考えが消え、個人主義になってきた」――先生のお話はいったいどこに行くのだろうと思いながら聴いていると、「動物はみんな絶対音感を持っている。人間だって生まれたときはみんな絶対音感だ」という意外な話になり、いささかびっくり)

今の若い人は混乱しているだろう。世のため、人のために生きるのか、自分のために生きるのか? 10年以上前から「自分探し」という言葉が流行った。じゃ、探しているお前さんは何なんだ? 「世界にたったひとつの花」というが、「世界にふたつある花」なんてない。この世に同じ人はいない。見たらみんな違う。

人は動物とは違う。人は言葉を持つようになった。ネコはしゃべらない。イヌも名前を呼べば反応するが、イヌに名前がわかっているわけではない。呼ぶ人の声の高さはみんな違うので、イヌにとって呼ぶ人が違えば別の音(声)。音の高低は振動数の違いで物理的に決まる。ネコもイヌも、人はみんな違う言葉をしゃべると思っている。もともと動物はすべて絶対音感。人も赤ん坊のときは絶対音感だが、成長すると音の高低に関係なく、言葉で理解できるようになり(=お母さんは、音の高低に関係なく名前でわかる)、絶対音感を失う。成長しても絶対音感の人は、特殊能力を身に付けたのでなく、生まれながらにだれでも持っていた能力を失わなかった人。違う音を聴いても同じと思う「音痴」は、人だけに存在する。

きょうこの会場に自分は絶対音感だという人はいますか?(誰も手を挙げない)。 珍しい、これくらいの人が集まれば数人は手を挙げるのがふつう。きょうは年配者が多いから?

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