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01/20/2013

宮部みゆきさんの <おまえさん> その2

厄介者の老人として親戚をたらい回しされている老人・源右衛門が、じつに味わう深い人物。単行本下巻433ページから。
<何をどうしたらいいかわからぬときは、学問をするのが一番よろしい>
<人が己の名前を書けるというのは大きなことなのじゃ。己の名前を書けるようになれば、己というものがはっきりする。己と己以外のものを分かつことができる。それこそが学問の第一歩じゃ。そこからすべてが始まる>
<励むほどに、人というものの胡乱(うろん)さ、混沌の深さがわかってくる。同時に人が学問という精密なものを生み出したのも、またその胡乱さと深い混沌故ということもわかってくる>
<学問をしてよかった。人というものの混沌が、その混沌を解こうとして生み出した学問が、わからぬことの数々を教えてくれた。それを喜びとしてきた。長生きしすぎた。だが、それで良かった。まだ学べる。これから学ぶのは人の死に行く道じゃ。学び甲斐がある>


宮部さんの小説は、ただの江戸捕り物帳ではありませんね。奥が深い・・・。

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