« 竹中平蔵氏講演会  その4 | Main | 竹中平蔵氏講演会  その5 »

03/08/2013

宮部みゆきさんの<日暮らし>

 2004年に講談社から単行本として上下巻刊行され、2008年に上中下巻の講談社文庫として発行されました。その後、文庫も2011年に新装版上・下巻になっています。私が読んだのは2008年の文庫本。
 2000年の「ぼんくら」に続く、ぼんくら同心・井筒平四郎シリーズ第2弾です。この後、第3弾「おまえさん」が2011年に刊行され、いまでは人気シリーズとしてすっかり定着しています。江戸を舞台にしたちょっとほんのりとした捕り物帳、それ以前の宮部ワールドとはちょっと異色。安心して読めるシリーズです。
 「日暮らし」には「おまんま」、「嫌いの虫」、「子盗り鬼」、「なけなし三昧」、「日暮らし」、「鬼は外、福は内」が収録されています。

 複雑な事件が輻輳する展開でありながら、隅々まで(おそらく)周到な構想のもとに、それらの話がうまく織り込まれ纏められた構成となっており、ストーリーテーラー宮部みゆきの力量を十分感じさせてくれるすばらしい作品となっています。

 文庫本(下)の解説に、末国善己氏はこう書いています。「<日暮らし>というタイトルは、人間の幸福は、退屈で凡庸な日々の生活にあるというメッセージそのものなのである」。

|

« 竹中平蔵氏講演会  その4 | Main | 竹中平蔵氏講演会  その5 »