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04/30/2013

宮部みゆきさんの<心とろかすような マサの事件簿>

文庫本 2001年初版、東京創元社。初出は4作品が1990~1991、1作品が書き下ろし。

去年TBS系でドラマ化された「パーフェクトブルー」の原作は、「パーフェクトブルー」とこの「心とろかすような」の2冊。どちらも蓮見探偵事務所が舞台ですが、後者の主人公は事務所の用心犬マサ、元警察犬のジャーマン・シュパードです。
飼い主の所長と、長女で短大卒後、父親といっしょに女性調査員として働く加代ちゃん、末っ子で美術方面に進みたい女子高生の糸ちゃんが登場します。短編・中編合わせて5編が収録されています。
最後の「マサの弁明」は少々ユニーク。調査依頼者は「宮部みゆき」。
<俺はもちろん、加代ちゃんも事務所の面々も誰一人彼女の名前を知らなかったところをみると、たいした作家ではない。要するに売れていないのである。そのくせ、いっちょまえに「午前中は寝ていますので・・・」などと、物書きらしいことを言っている」、「年齢30歳の割に落ち着きのない人である。顔も童顔だが、こういうタイプの女は、ある時突然、一夜のうちにガタンと老けておバアさんになっちまうのだ」などと書き放題。そしてこともあろうに、宮部みゆき=放火殺人犯? 文庫本の巻末に「著者ご挨拶」があります。その中に、<この作品集の作品は、すべてがフィクションです。隅から隅まで作り話です。とりわけ「マサの弁明」という作品をどうぞ本気になさいませんよう。子供のころのミヤベミユキが深夜の路地を歩いてくる足音に怯えたことがあるというエピソード以外は全部創作であります>。
なーんだ。それにしても手が込んでいます、宮部流どっきり。

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