« ノーベル賞受賞講演会 その3 | Main | 含蓄あるポスター in FUMINOSATO その8 »

09/26/2013

ノーベル賞受賞者講演会 その4

Sp1050854


やがて、下村博士はプリンストン大のジョンソン教授から招かれ、氷川丸の最後の航海で13日かかってシアトルへ、そこから3日3晩の鉄道の旅で東海岸のプリンストンへ到着します。そこで、教授とともにオワンクラゲの発光物質を抽出する研究に取り組みます。
「5万匹、2.5トンのクラゲを採取するため、教授夫妻、下村夫妻と2人の子供が網を持って作業している様子」とか、「発光物質のあるクラゲ周囲(リング)だけ切り取る作業」等、途方もない作業の一端が写真で紹介されました。
さらに、「AF350の構造を明らかにするため、5年間で25万匹のクラゲを採取」、「クラゲ20万匹から抽出したGFP 100mgを用いて、発色團を含むペプチド0.1mgを作り、これから通常の発光たんぱくとGFPの構造の重要な違いを解明」し、ノーベル賞につながります。途中、教授と研究方針が食い違った時期もあったようです。
「計画して発見したわけではない。クラゲの発光研究から偶然、副産物として発見した」

GFPはオワンクラゲが持つ蛍光タンパク質で、生体内ではイクオリンという発光タンパク質と複合体を形成しており、イクオリンが細胞内のカルシウム濃度を感知して発光するエネルギーがGFPに伝わり、緑の蛍光を発します。試料に励起光を照射することで検出できますので、生きたままの細胞内でタンパク質の局在を調べることができる画期的な発見です。いまではGFPが医学、生物学の幅広い分野で活用され、様々な新知見をもたらしているそうです。ただの「くらげの発光現象解明」ではなかったんですね。
別室で、下村博士の発見によるGFPの実用化例を紹介していました。「光るメダカを顕微鏡で見よう」。3匹の生きたメダカに励起光を当てると、細胞内の物質の分布状態を観察できるというものです。

|

« ノーベル賞受賞講演会 その3 | Main | 含蓄あるポスター in FUMINOSATO その8 »