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12/21/2013

小津安二郎没後50年 隠された視線

12/12のNHK BSPで放送された標記番組を観ました。
昨年、小津安二郎監督の「東京物語」が、世界の映画監督358人が投票で決める最も優れた映画に選ばれた、と聞いたとき、あんな昔の映画がなぜ?と思ったものです。その謎が解けました。番組の中で、イギリス人批評家が「映画史上、小津ほど繊細な映像表現ができた監督はいない。画面のディテールや編集をみれば明らかだ」と発言していました。

「東京物語」の「老夫婦が訪れた長男の家も、長女の家も看板は見せるが、家は画面にでてこない」「デパート屋上から眺める景色は観客に見せない」「戦死した息子の写真も顔はわからない」・・・みんな観客の想像の力に訴えていたのですね。
同じシーン・発言の反復も、サイレント映画出身の監督らしい手法です。

カラー映画になってから、小津監督が好きな「赤色」を、映像の連続性より1枚1枚の絵の完璧性を重視して撮影(赤いお椀がなぜか移動したり)したというエピソードにはびっくり。

「秋日和」のラストで、原節子が娘を嫁に出した母の気持ちをセリフなしで着物をたたむ仕草を通じて見事に表現していました。「見せる演技より見られる演技」という意味が少しわかりました。
俳優が観客に向かってしゃべっているかのようなカメラアングル(「秋刀魚の味」)も、計算し尽くされた撮影だったのですね。

小津作品の奥深さが伝わってくる番組でした。

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