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03/30/2015

NHKスペシャル 命と向き合う教室 ~被災地の15歳 1年の記録~

NHK総合、3/29
東日本大震災で家族を亡くした中学生の悩みを、ここまで丹念に掘りさげ、1年間にわたってフォローした番組を観たのは初めて。感銘を受けました。かたくなな中学生の心をここまで開かせ、その苦しみをクラスのみんなが共有し、お互いを人間として尊重するようになる・・・素晴らしい授業です。

家族を津波で失った中学生に、自分の本当の気持ちを作文に書かせるのは大変だったと思います。この作文によって、明るくリーダー的存在として活発に活動し、悲しみひとつ表に出さなかったて女子が、「深い暗闇に閉じ込められた気分。夢の中で亡くなった父母の方に、一生懸命手を伸ばそうとするが届かない。届かないと実感しているのに、手を伸ばし続ける自分が嫌」といった作文を書きます。作文を読んだ友達が、「もっと他人を頼っていいんだよ」、「同じ年齢なのに知らないことがいっぱいあることに気づいた」、「わたしたちが暗闇を開けてあげなければ」、「さりげなく助けてあげたらいいんじゃないかな」、「少しずつ解決していけば」・・・。同級生が苦しみを分かち合おうとします。本人も「みんなこんなに思ってくれてたんだ」。こんな事例が次々紹介されます。
月1回の「作文」、「発表」、「感想」の繰り返しによって、みんなのわだかまりが解消されていきます。そして3月、無事卒業式を迎えそれぞれの夢を実現するため、学校を巣立っていきます。
まさに「命の授業」ですね。貴重な実践記録を見せていただきました。

親や姉妹を亡くした中学生たちが「自分の心の中を表に出すことは悪いこと」、「人に頼ることは迷惑をかけること」と感じ、ひたすら内にこもって悩み続けたり、表面的に明るく振る舞っていても本心はまったく違うこと。周りも気を使って震災のことや亡くなった家族のことに触れないで、そっとしておこうという雰囲気だったこと。そうしたぎくしゃくした子供たちの世界は、あまりマスコミが伝えて来なかったような気がします。子供たちの本当の思いを作文という形で表に出させ、お互いが相手のことを時間をかけて考えることにより、理解しあう・・・東松島市立鳴瀬未来中学校の「命の授業」は、悲しい被災経験を味わった中学生に、これからの人生を生き抜くためのかけがえのない大切なものを学ばせたことでしょう。

「命の授業」を続けるうちに、震災だけでなく、両親の離婚等、子供たちが抱える問題、自分の居場所がないと悩む姿も浮き彫りになってきます。クラス全員に信頼感が芽生えて来なければ、絶対にさらけ出せないことですね。よくぞここまでの授業ができたものです。

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