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07/17/2016

司馬遼太郎さんの<城塞>読み終えました


今年、「真田丸」にちなんで大坂夏の陣激戦地のひとつ、道明寺を歩いたとき、地元ガイドさんから「司馬遼太郎さんの<城塞>を読みましたか?」と言われ、数年前推理作家・有栖川有栖さんから「大阪文化発祥の地・上町台地の三大小説のひとつ」と紹介され、今年の「第19回菜の花忌シンポジウム(司馬遼太郎さんを偲んで毎年開かれている)」のテーマ「大坂の陣400年<城塞>から読み解く乱世」にもなった小説「城塞」。
じっくり読んできましたが、ようやく読了。

NHK大河ドラマ「真田丸」もいよいよ佳境に入ってきました。時代背景を司馬さんならではの解釈でつづった興味深い作品でした。

大阪市内、道明寺周辺、和歌山県九度山など、真田信繁(幸村)にゆかりの関西の地は、ほとんど歩きました。それらの地がいたるところに出てきますので、歴史を身近に感じながら読み続けることができました。

最近、真田丸に関する古地図が松江で発見されたというニュースが話題になりました。NHKでも「いままでのほとんどの古地図は、真田丸が半円状だったが、この地図は四角形。四角形は数年前、広島で発見された地図だけだった。昨年の(レーダーを使った現地)調査で、真田丸の形状は四角形と判明した」と報じていました。
ところが、50年近く前に書かれた「城塞」には、四角形だったと書いてあるんですね。さすが司馬さん。歴史小説を書くにあたっては、神田の古書街からトラック一台分の資料を買い求めたという伝説があるほど徹底的に文献調査した司馬さんです。「城塞」が書かれたのは、1969年(昭和44年)7月から1971年(昭和46年)10月まで、私が仙台で学生(修士)、そして就職して八幡で過ごし始めたころです。

参考までに、今年の「菜の花忌シンポジウム」の様子を伝えるNHK Eテレを観た時のブログです。

「TVシンポジウム 大坂の陣400年 「城塞」から読み解く乱世 ~第19回 菜の花忌シンポジウム~」
NHK Eテレ、3/7 Eテレ

司馬遼太郎さんの「城塞」は読んでいませんが、秀吉亡き後、淀殿、秀頼、家康等大坂の陣をめぐる様々な人間模様を描いた傑作のようですね。磯田道史氏「主人公が人でなく構造物=大坂城、人間じゃない物体が動かす歴史の面白さ」、杏さん「(小説として)圧巻のボリューム、物理的に絶対攻略できないはずの城がなぜ滅んだのか、何回も読んでいろんな視点から考えたい」、安藤忠雄氏「人間の生きざま、人間の物の考え方が伝わってくる。関ヶ原の合戦前後の人間の葛藤が伝わってくる」、伊東潤氏「時代を超えた名作。歴史小説のハンディ(読者は結果を知っている)を逆手にとった潔さ、美しさが輝いている。大坂城に巻き込まれていく人々の群像劇」。皆さんの発言を聴くと、大阪に住むひとりとしていつか読んでみたくなりました。

伊東氏の発言に考えさせられました。
〈「城塞」は現代の写し鏡、大坂城内の雰囲気は平和ボケした現代と同じ。平和の幻想に浮かれずもっと危機感を! 世界は厳しい。強いものの論理が勝つ〉。
〈大坂城の中にいた淀殿たちはこのまま行くと思っていた。これが一番怖い。激動の時代、明日はどうなるかわからない。政治・経済をよくウオッチして生きていくべき。「城塞」は日本の今を現している小説〉。
これはますます読まなければ・・・。

磯田氏から大阪人へのメッセージが、印象的でした。
〈大阪は、武士の論理のアホらしさに気付いた人間がつくった本音の街。すぐ儲けるのでなく長い目で育てる、人に喜んでもらって、自分も喜ぶという生き方をしてほしい。司馬さんの言う共感性を大切に。大阪の人は、「おもろい」ことはやれる〉。

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