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08/16/2016

五山の送り火」と言いなさい!

未曽有の大雨の中、今年も無事、五山の送り火はともりましたね。NHK-BSPは30台ものカメラを出して、生中継をしました。地元民放のKBS京都も生中継をしていました。
ところで、近年とくに五つをまとめて「五山の送り火」とよばなければならないと、強く言われています。

ここで面白い話をひとつ。かの井上章一先生は、堂々とこうおっしゃっています。
<私のおさないころは、「大文字焼き」と言っていた。嵯峨の鳥居もふくめ「大文字焼」であると、そうよびならわしていたものである。「大文字焼き」のよび名をきらうのは、そこに見世物めいたひびきを感じるせいだろう。ほんらい祖先をおくる盂蘭盆のしめくくりとなる行事、つまり「送り火」である。娯楽の花火めいたもよおしなんかでは、ぜったいにない。「大文字焼き」とは言うな、「五山の送り火」とよべ。そうとなえだした人がおり、それももっともだと、このごろは考えられているのである>
私も子供のころ「(京都の)大文字焼き」という言葉を聞いたり、使っていました。住んでいたのは広島ですが・・・

井上先生は<「五山の送り火」という呼称のおしつけは、信仰心のおとろえを、逆説的に物語ろう>。と書いています。
さらに1891年、ロシア皇太子をもてなすため、京都では五月なのに大文字山に松明で「大」の字を描いた例をあげ、「あれは送り火でなく、大文字焼きとしか言いようがなかった」と述べています。
このあと、女優飯島愛との大文字焼の思い出などが続きます。

読みたい方は、井上章一先生の「京都ぎらい」(朝日新書、2016年の新書大賞受賞)をどうぞ。

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