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10/31/2016

幸田成友<江戸と大阪>

江戸時代の二大都市、江戸と大阪の歴史を経済中心にコンパクトに叙述した古典的著作。昭和9年冨山房から発行され、何度かの改訂を経て、1995年新たに冨山房百科文庫として刊行されました。
著者の幸田成友(しげとも)氏は幸田露伴の弟。大阪市史編纂室の初期の業績のほとんどは同氏が一人で研究されたものです。

江戸時代の江戸と大阪のことについて実に細かく実証的な記述がされています。例えば、
1)町人は徒歩が通例。1662年の江戸の触書に、「近頃無断で町人が乗り物に乗ったり、若い者が乗るという噂がある。行く先で病気になり、やむを得ず乗物で帰ったら、当日または翌日、御番所へ参り、その段を帳面に付けよ」とある。乗り物に乗ることのできるのは、50歳以上の男子・病人・女・小児・医師・僧侶くらいに限られる。1674年には「断りなく駕籠に乗るものは、本人はもちろん、駕籠の持ち主、かごかきまでみな処罰する」との法令も。(84ページ)

2) (大阪の川に土砂がたまって詰まり、廻船が兵庫や西宮に停泊するようになったので大さらえすることになった)天保の大さらえは大阪の衰微を救済する川さらえと解釈せられ、非常な人気で、町々隊を組み、幟を立て、鳴り物入りで競って土砂を運搬した。あまり騒ぎが激しくてついに町奉行所から静止を加えたほどで、その時の土砂を積んだ山を天保山といい、幕末ここに砲台を築いた。(47ページ)

3) 御城米輸送に当たる民間の船は、白い四半に大きな朱の丸をつけ、その脇に船名を書いて立てた。日の丸は幕府の船印で、これがやがて日本の国旗となった。(130ページ)

ドラマ「重版出来」で話題になった「出来」(しゅったい)という単語もあちこちに出てきます。「土居や濠までも立派に出来」(15ページ)

先日、三笠宮さまが「薨去(こうきょ)」されましたが、将軍のときもこの言葉を使うんですね。「将軍家治の薨去」。
(235ページ)

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