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04/11/2017

百田尚樹さんの<風の中のマリア>

百田さんの本は、「永遠のゼロ」「至高の音楽」「プリズム」「夢を売る男」「海賊とよばれた男(上、下)」「輝く夜」「モンスター」「影法師」「大放言」と読んできました。同氏の作品は、一作ごとにジャンルの異なる内容であることが特徴です。今回の「風の中のマリア」も従来とはまったく毛色が異なっています。
なにしろ主人公はオオスズメバチのワーカー(ハタラキバチ、メス)なのです。

学術的に描かれたスズメバチの冒険小説です。ワーカーはわずか30日しか生きられません。自分の属する帝国を守るため、他の昆虫等を日々攻撃・殺戮し続けるオオスズメバチ、その生態を昆虫学の最新成果を使ってドラマチックに描いています。

著者の徹底した最新情報の取材(「モンスター」での美容整形、「プリズム」での解離性同一性障害、「夢を売る男」の出版業界の裏側等)は、「風の中のマリア」でもいかんなく発揮されています。ワーカーの寿命は30日くらい、ワーカーはすべてメス、その理由は?など知らないことばかり。

「オオスズメバチの性決定システム」「姉(ワーカー)から見た妹(ワーカー)のゲノム共有率」「ワーカーから見たオスバチ(弟)のゲノム共有率」など、難解な言葉や図解が次々出てきて、少々戸惑いますが、なかなかユニークな小説です。

Sp1100474


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